福岡高等裁判所 昭和26年(う)2732号 判決
本件起訴状によれば被告人が使用した兇器は小刀、被害者の受傷の程度は治療日数二十日となつているのに検察官は訴因中右の個所の訂正をしないまゝ証拠として匕首及被害者は百余日の治療を要したとの証言を含む浦徳義の供述調書を提出し原審もまた訴因変更等の手続を経ないまゝ右証拠等により被告人が右匕首を被害者浦川一郎の下腹部に突刺しその左腹部に治療百余日を要する刺傷を与えた旨認定したこと所論の通りであるが、かゝる程度の変動は同一訴因の態容の変動に止り訴因自体の変更とは認め難いから原判決に所論のような手続違反があるとは云えない。